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多様化する働き方「ビヨンド勤務」とブランディング
働き方の選択肢が拡がる「ビヨンド勤務」
ロート製薬 が2025年10月20日に、2026年4月から運用を開始予定として「週3日/週4日勤務制=“ビヨンド勤務”」を発表しました。
「ビヨンド勤務」は、週3日または週4日の勤務を基本とし、残りの日数を複業や学び、社会活動、資格取得などに充てることができる勤務形態です。ロート製薬は、社員の心身の健康を基盤とし、仕事・家庭・学びなど人生全体の充実を目指す「ROHTO Well-being LIFE宣言」を掲げています。本制度は、その理念を具体化する取り組みの一つとして、社員が自らの意思で学びや挑戦に取り組み、成長を社会へ還元することを後押しするものです。
制度名の「ビヨンド(Beyond)」には、「未来を見据え、自分の枠・働き方の枠を超えて成長する」という意味を込めており、社員が社外での経験や学びを通じて得た知見を職場に還元し、組織全体の活性化と、新たな価値創造につなげていくことを期待しています。
■ロート製薬 プレスリリース
働き方の変化と価値観のシフト
働き方そのものが大きく変わってきています。特に国内では、「週休3日(=週4日勤務)」「選択的週休4日制」「勤務時間・場所の柔軟化」といった制度を導入する企業が増えつつあります。
このような制度の背景には、働く側が「時間をどう使いたいか」「働きながら何を成し遂げたいか」という意識を強めていること、そして企業側が「働き方=企業の価値観・ブランドそのもの」という捉え方をし始めているという潮流があります。
ロート製薬以外にも、働き方を見直す企業があります。
株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ等)では、週休3日制(=週4日勤務)を地域正社員対象に導入し、1日10時間勤務・週4日で通常の週5日勤務と同等の給与水準という仕組みも。
この制度は、育児・介護・語学学習など多様な働き方を可能にすることで、多様な人材の確保・活用を支えるものです。結果として、「自分らしい働き方を実現できる企業」=ブランドという印象が求職者に伝わりやすくなっています。
東急株式会社の場合は、職務・勤務地・時間の3つの軸で選べる働き方制度を導入。例えば「1日6時間 × 週4日勤務」という選択肢もあり、勤務時間・日数をかなり柔軟にしています。
このような制度は、ライフステージの変化(育児・介護・副業など)と働き方が調和できることを強く打ち出しています。
こういった制度を通じて、「社員一人ひとりの事情に配慮する企業」「変化に対応できる企業」というブランドが形成されています。
働き方制度とブランドの関連性
企業が「働き方制度」を変えるということは、単に福利厚生を改めることではなく、その企業がどんな価値観を持ち、どのような人を迎えたいかを可視化するものです。たとえば、「社員が時間を選び、学び・挑戦できる場を提供する」というブランドメッセージを発信しています。
働く側から見ると、企業を選ぶ際に「この会社なら自分らしく働けそう/自分の成長を支えてくれそう」という判断軸がますます重要になっています。
また、求職者・社員・社会の目から見て「この企業は未来を見据えている」「変化を受容している」という姿勢が伝わることで、採用・定着・エンゲージメントにプラスに働くという実例も報告されています。
厚生労働省では、 働き方改革特設サイト によって、様々な働き方の情報提供も行っています。
企業・個人・ブランドが重なり合う時代へ
働き方制度は、もはや“後付けの制度”ではなく、企業がどんな価値を大切にし、どんな未来を描いているかを示す「ブランド発信の場」となっています。
働く側にとっても、単に「休みが多い」「空いた時間がある」という点だけでなく、「その制度を通じて企業が何を大切にしているか」を見極めることが、企業選びの重要なポイントです。
これからは、企業も個人も「どんなブランドと働くか/どんなブランドで働くか」を意識する時代と言えるでしょう。

